『ファンタジア2000』前作との違いと魅力を解説!

ファンタジア2000 火の鳥

『ファンタジア2000』は、魔法使いの弟子で有名な『ファンタジア』の続編です。鑑賞してみるとすぐ分かるのですが、前作と本作では製作の目的が大きく異なるため、雰囲気が全然違います。今回は目的の違いから作品の魅力を解説していきます。

ファンタジア2000の概要と前作の違い

ファンタジア2000はディズニー長編アニメーション38作目の作品で1999年に公開されました。1940年に製作された前作ファンタジアは芸術性を追求するという目的で製作され、今でこそ評価されていますが、当時は理解されず、興行的には失敗に終わりました。そのため、

ファンタジア2000は、オムニバス形式という点ではファンタジアと変わりませんが、音楽に精通していない観客に対しても比較的知名度の高い楽曲の採用とファンタジアに比べてストーリー性あるアニメーションの製作という点でファンタジアより見やすい作品

となっております。

ただ、前作を評価していたファンにとっては芸術性が犠牲にされ大衆に迎合した作品として批判を受け、この当時ディズニーの映画を鑑賞していた観客はリトル・マーメイドやライオン・キングのような作品を期待していたため、観客動員数は低く、ギリギリ赤字にならない程度(制作費:8千万ドルに対して、興行収入:9千万ドル)の興行収入となってしまい、ファンタジアのリベンジという結果にはなりませんでした。1994年公開のライオン・キングが制作費:4千5百万ドル、興行収入:9億5千万ドルだったことを考えるとかなりの手痛い結果だったということが分かります。

ファンタジア2000の魅力

興行収入としては成功とは言えなかったファンタジア2000ですが、作品自体に魅力がない訳ではありません。今回は作中の特に魅力的な3話のご紹介をしようと思います。ちなみに、今回取り上げる対象からは外していますが、ファンタジアの「魔法使いの弟子」のデジタルリマスター版も収録されているので、ファンタジアを見たことない方はファンタジア2000をまず見てみるのが良いかもしれません。

  • ラプソディー・イン・ブルー
  • のだめカンタービレのオープニングで採用されたことで最近ではかなりの人が知っているガーシュイン作の「ラプソディ・イン・ブルー」。前作にあたるファンタジアでもジャズの曲が採用されていましたが、ファンタジア2000でも完全にジャズという訳ではありませんが、ジャズをベースとしたこの曲が採用されました。ジャズは、暗い歴史を経て大衆に広まっていた歴史を持つアメリカ発祥の音楽です。そのため、アメリカから誕生したディズニーとしては採用しない訳にはいかないジャンルとなっています。

    アニメーションはファンタジアに近い印象を受ける作品で、ニューヨークで憂鬱な日々を過ごす人々がお互いにひょんなことで影響を与え合い、みなちょっと幸せになるというストーリーとなっています。

  • 威風堂々
  • エルガー作の有名なクラシック音楽で、本作の中で一番知名度がある曲だと思われます。この作品はドナルドとデイジーが登場し、ノアの方舟(はこぶね)という神話をテーマに製作されたストーリーで構成されています。ノアの方舟がテーマということで、様々な雌雄1対の動物が登場しますが、ライオン・キングを彷彿とさせるスケール感のあるアニメーションにドナルドとデイジーの可愛らしいラブ・ストーリーが差し込まれています。このドナルドとデイジーのラブストーリーがとても可愛らしく、最後にはちょっとした感動を覚える、ドナルド・デイジーが好きな人にはぜひ見てもらいたい作品になっています。

  • 火の鳥
  • 本作のメインとして登場するストラヴィンスキー作の火の鳥。自然の創造・破壊・再生という壮大なテーマに負けない力強く芸術的なアニメーションで構成されています。この作品に影響を受けた人物に日本の有名な「細田守」監督がいて、「おおかみこどもの雨と雪」ではこの火の鳥のオマージュと考えられるシーンが存在します。また、「モアナと伝説の海」の女神「テ・フィティ」を想起させる自然の精が登場し、ディズニーの本作品以降の作品にも少なからず影響を与えています。

あとがき

私はこの記事を書くまでファンタジア2000を見たことがなく、ターザン以降はディズニーにとって経営不振に陥る暗い時期ということだけ知っていたので、残念な作品なのかなと勝手に思っていたのですが、いざ見てみるとそんなことはなく、特に、「火の鳥」は息を飲む出来栄えになっていて、娘にもぜひ見て欲しいなと思える作品となっていました。火の鳥の精はパレードなどにも結構登場するようですが、その理由も分かるなという評判を覆す良い作品でした。

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