動物と喋れないディズニー映画!?『ブラザー・ベア』概要とあらすじ解説

ブラザーベア キナイとコーダ

人間と動物が意思疎通できない世界観の作品は「ダンボ」や「きつねと猟犬」など多数存在していますが、『ブラザー・ベア』は意思疎通ができない苦悩が明確に描かれる珍しい作品です。そのため、話題性やシリアルなストーリーが評価されアカデミー賞長編アニメ賞受賞こそ逃したもののノミネート作品となっています。本記事では、そんなブラザー・ベアの概要からあらすじを解説していきます。

ブラザー・ベアの概要

ブラザー・ベアはディズニー長編アニメーション44作目にあたり、2003年に公開された作品です。イヌイットというカナダの北部に暮らすインディアンの話でシャーマンなど馴染みのないスピリチュアルなワードなどが登場します。なお、インディアンと言っても実は様々な民族をまとめてインディアンと呼ばれているので、我々がイメージするインディアンとは少し雰囲気が異なりますが、れっきとしたインディアンの一族となります。

声優には、なんとジャニーズの大御所「東山紀行」さんが起用されていて、主人公の青年キナイの声を担当されました。他にも本作で重要な役であるシャーマンのタナナを「森光子」さんがご担当されていたりと大御所めじろ押しの作品となっております。また、作中の曲は、ターザンの曲でアカデミー賞歌曲賞も受賞している「You’ll be in Heart」を製作したフィル・コリンズが手がけていたり、日本語版の曲を「天童よしみ」さんが歌っていたりと声優に止まらず、楽曲でも大御所だらけの豪華な作品になっています。

ブラザー・ベアのあらすじ

マンモスが闊歩するはるか昔、イヌイットで仲の良い3兄弟の末っ子キナイが成人を迎え、超自然的な存在と対話ができるシャーマン・タナナから村のしきたりに則り、トーテム(トーテムポールなどで有名な彫り物)を授かりました。そのトーテムは「愛」を象徴する熊をモチーフに掘られていましたが、憧れている兄たちが「導き」を象徴するワシ、「知恵」を象徴する狼と狩猟民族において名誉あるトーテムを授かったのに対して、自分だけ狩猟民族にふさわしくないトーテムを貰ったとショックを受けたキナイは、狩りで無茶をしてでも自分の力を示そうとするようになってしまいました。そんなある日、兄弟3人で狩猟を行っている最中に、自分のトーテムのモチーフである熊に遭遇し、無謀にも熊に立ち向かっていったキナイでしたが、熊に勝てる訳もなく窮地に追い込まれます。その危機を察知した長男は、弟2人を守るために、自らを犠牲にするのでした。尊敬する兄を殺されたキナイは激怒し、熊を殺してしまうのでした。すると、グレート・スピリットという地球が誕生してからこれまでに亡くなった全ての魂が集う神秘的な存在に統合された長男シトゥカが、このままではキナイは人として大事なものを失ってしまうと試練を課すために、キナイを熊に変えてしまうのでした。

いきなり熊に変えられたキナイは驚きを隠せず動揺していましたが、次男であるデナヒに長男を殺した熊がキナイまで殺した熊と勘違いされ、襲い掛かってきたので、必死に逃げ出すのでした。無事、デナヒから逃げ切ったキナイは、どうすればいいのかと頭を悩ませていましたが、シャーマンであり全てを理解しているタナナから「光と大地が交差する場所」に向かいなさいとアドバイスをもらうのでした。

アドバイスを貰ったものの「光と大地が交差する場所」の検討も付かないキナイは、訳も分からず彷徨う日々を過ごしていましたが、ある日、「光と大地が交差する場所」を知っているという迷い子熊「コーダ」と出会うのでした。コーダは、母親と逸れてしまったため、「光と大地が交差する場所」の近くにある鮭が大量発生する「サーモン・ラン」に行き、母親と合流しようと「サーモン・ラン」に向かっている途中だったらしく、キナイはコーダと一緒に旅をすることにしました。

最初はあまりにも年齢の若いコーダのテンションについていけなかったキナイでしたが、旅を通してお互い絆を深め、キナイとコーダは本当の兄弟のような関係になっていきました。しかし、ある日、兄弟2人を殺され復習に燃えるデナヒが目の前に現れ、必死に逃走する2匹でしたが、コーダが以前にも似たような経験をしたことがあり、その時に母親と離れ離れになってしまったことをキナイに伝えるのでした。その話を聞いて、コーダの母親を殺したのは自分だと察した、キナイはコーダにその事実を隠さず、正直にその事実をコーダに伝え、コーダの目の前から去っていくのでした。最初は、あまりにもショックで戸惑うコーダでしたが、これまでのキナイとの日々を思い返し、キナイを許し、キナイと共に生きていこうとキナイを追いかけていきました。

コーダがキナイに追いつくと、キナイはまた出くわしてしまった兄デナヒに襲われていました。キナイを救おうと必死にキナイの元に駆け寄るコーダでしたが、復習に囚われたデナヒはその子熊をも殺そうと襲いかかりました。その時、咄嗟にコーダを庇おうと飛び出したキナイは、突然光に包まれ、人間の姿に戻るのでした。

突然、現れたキナイに驚くデナヒは、これまで弟を殺そうとしていたということを理解し、自分を責め始めましたが、その必要はないとキナイは兄を諭すのでした。一方、その場にいたコーダは、キナイがいきなり人間になり、言葉も通じなくなってしまったことに怯え震えていました。そんな姿を見たキナイは、グレート・スピリットにまた熊の姿に戻してくれるよう心の中で願うのでした。すると、キナイは再び熊の姿に戻り、コーダと一緒に「サーモン・ラン」へ向かい、熊としてコーダと共に生きていくことを決意するのでした。

あとがき

「ジャングル・ブック」、「きつねと猟犬」、「ライオン・キング」、「ポカホンタス」などディズニーのこれまでの作品と重なる部分が多い「ブラザー・ベア」ですが、兄弟のような関係だったとしても「人間と熊」のように異なる種族になれば、微塵も意思を伝えることができず、相容れない存在であるというリアリティーが克明に表現されていて「動物は誰しもが孤独な存在である」という悲しい宿命に向き合わされることによりディズニー作品史上類をみないほど寂しい気持ちが湧いてくる作品です。後にも先にもディズニーの作品でこのようなテイストの作品は今のところ存在していないので、みなさんもぜひ一度は鑑賞してみてください。

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